結論:経営業務の要件をクリアしても、専任技術者(営業所技術者)というもう一つの壁を越える必要があります資格がなくても実務経験による証明という道があることを知っておくことが重要です。
この記事の結論
- 経営要件をクリアしても許可には別の壁がある
- 専任技術者(営業所技術者)の要件を満たす必要がある
- 資格がなくても実務経験で証明できる場合がある
- 見落とされがちな要件として注意が必要
「新里さん!経営の5年分の書類も集まったし、資金500万もクリアしました!これでいけますよね!?」
過酷な書類集めを乗り越えてガッツポーズをする親方に、私はもう一つ、確認しなければならないことがあります。
「親方、素晴らしいです!……ところで、今回の許可を取りたい業種(例えば塗装工事や内装工事)、何か国家資格って持ってますか?」
「いや、現場ひと筋なんで資格は持ってないです。でも腕には自信ありますよ!」
実はここが、建設業許可における「もう一つの分厚い壁」なんです。
今回は、いくら腕が良くても証拠がなければ認められない「営業所技術者(旧・専任技術者)」というルールについて解説します。
■ 「営業所技術者」って何?
建設業許可を取るためには、各営業所に必ず「営業所技術者」という工事のプロフェッショナルを常勤で配置しなければなりません。(※令和6年12月の法改正により、「専任技術者」から名称が変わりました)
役所は「腕が良い」という口頭のアピールは一切信じてくれません。プロであることを証明するためには、大きく分けて
【A:国家資格を持っている】か、【B:10年以上の実務経験がある】か
の2つのルートしかありません。
■ ルートA:国家資格は「最強のVIPパス」
1級・2級の施工管理技士や、技能士などの指定された国家資格を持っていれば、話はめちゃくちゃ早いです。その資格証のコピーを出すだけで、「技術力あり」と一発で証明されます。まさにVIPパスです。
■ ルートB:地獄の「10年分」書類集め
問題は「資格を持っていない」場合です。
資格がないなら、「その工事を10年以上やってきた」という実務経験で証明するしかありません。(※指定学科の高校や大学を出ていると期間が短縮される例外はあります)
前回、「経営経験5年分の書類集めがヤバい」という話をしましたが、技術の証明はさらにその倍、【10年分】です。
120ヶ月分の工事契約書や請求書
しかも、「大工工事」の許可が欲しいなら、ちゃんと「大工工事」と分かる請求書だけを10年分より分けなければなりません。「一式工事」や「雑工事」とフワッと書かれた請求書は弾かれる可能性が高いです。
「10年前の請求書なんて残ってるわけないだろ!」
「ずっと下請けで、請求書は『〇〇工事一式』ってざっくり書いてたよ…」
ここで多くの親方が、「資格を取る暇なんてなかった」「現場仕事ばっかりで事務作業なんてしてこなかった」と頭を抱えることになります。
■ 「10年の壁」にぶつかった時の突破口
もし資格がなく、10年分の書類も完璧ではない場合、どうすればいいのか?
諦める前に、以下の作戦をプロと一緒に探ります。
1 過去の勤務先(修業時代)の経験を足す
独立前の会社で働いていた期間も「実務経験」にカウントできます。当時の社長にお願いして、証明のハンコをもらうことができれば一気に期間を稼げます。
2 今から資格試験に挑戦する
「10年分の書類をかき集めるより、今から猛勉強して2級の資格を取ったほうが、結果的に早いし確実だ」という判断になることもよくあります。
3 資格を持っている職人を雇う
自分自身が要件を満たせなくても、要件を満たす職人さん(資格持ち、または経験10年)を正社員として雇い入れれば、その人を「営業所技術者」として許可を取ることが可能です。
■ あなたの「最強のルート」を探します
「経営の5年」と「技術の10年」。
この2つがごっちゃになってパニックになる親方は本当に多いです。
「自分は資格がないから無理だ…」
「10年前の書類なんてないし…」
と自己判断する前に、まずは一度、新里法務事務所にご相談ください。
親方のこれまでの経歴、学歴、昔の修業先、手元に残っている書類の状況をすべてヒアリングし、「どのルートで攻めるのが一番確実で早いか」、あなただけの最短ルートを一緒に見つけ出します!
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