行政書士 新里法務事務所軽天屋(内装仕上げ業)の許可事例 お問い合わせ

元軽天屋の行政書士が贈る、ある一人親方の物語

うちも許可、いるんですか?現場の職人と行政書士のやりとりを描いたマンガ

「うちも許可、いるんですか?」
ある軽天屋さんの、許可取得までの記録

これは、滋賀県内で軽量鉄骨下地とボード貼りを専門にしてきた、ある一人親方の物語です。

特定のご相談内容ではなく、多くの軽天屋さんに共通する典型的な流れを、物語仕立てでご紹介します。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思いながら読み進めてみてください。

うちも許可、いるんですか?現場の職人と行政書士のやり取りを描いたマンガ
📖 漫画版は現在準備中です(工事中) 準備中

Q.物語の主人公は、軽量鉄骨下地(LGS)とボード貼りを専門に10年以上活動してきた一人親方です。ある日、付き合いの長い元請けから電話が入ります。

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「次の現場、許可がないと入れないんです」

「今度の案件、500万円を超えそうで……許可がないと契約できないんですよ」。いつもの現場監督から、申し訳なさそうにそう告げられました。

10年間、腕一本でやってきた自負はある。でも「建設業許可」と正面から向き合ったことは、実はこれまで一度もありませんでした。

ここで最初に知ること:1件500万円未満(税込)の工事だけを請け負っている間は許可は不要です。逆に言えば、元請けの与信基準の変化や事業の成長は、一人親方にとっても「許可が必要になる瞬間」を連れてきます。
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調べてみると、4つの関門があった

役所のホームページや専門家のサイトを調べてみると、内装仕上工事業の許可には大きく4つの要件があることが分かってきました。

①経営業務の管理責任者等 ②営業所技術者(旧・専任技術者) ③財産的基礎 ④欠格要件に該当しないこと。

「全部クリアできるんだろうか」——正直、少し腰が引けたのが本音でした。

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①経営経験は、一人親方の年数もちゃんとカウントされた

最初の壁だと思っていた「経営業務の管理責任者等」の要件。てっきり法人の役員経験が必要だと思い込んでいました。

ですが、個人事業主として事業を営んできた経験も、この要件の年数としてカウントできることが分かりました。

10年間、確定申告をしながら一人でやってきた実績が、ここで初めて「経営経験」として意味を持ちます。

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②いちばん手こずったのは「10年分の証明」だった

次に立ちはだかったのが、営業所技術者(旧・専任技術者)の要件です。内装仕上工事に関する実務経験10年、またはそれに代わる資格・学歴が必要でした。

資格は持っていなかったため、実務経験を証明する道を選びましたが——ここで想定外の苦労がありました。

一人親方の請求書や注文書は、工事名の記載が簡素だったり、そもそも古い分が手元に残っていなかったりしたのです。

実務のコツ:不足していた年数分は、「工事内容が分かる現場写真」や「取引先に発行してもらった証明書」で補いました。独立当初からの書類を今のうちに整理しておくと、いざという時にこの苦労をせずに済みます。
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③「500万円」は、思っていたより現実的だった

③の財産的基礎——自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力——と聞いて身構えました。

ですが、こちらは預金残高証明や融資可能額の証明でクリアできる場合があると分かり、想像していたよりもハードルは低いものでした。

④の欠格要件(本人が破産者でないこと等)にも、幸い該当するものはありませんでした。

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許可が下りた日、見える景色が変わった

書類を整え、申請してから数か月。ついに「内装仕上工事業(知事許可・一般建設業)」の通知が届きました。

これまで「500万円未満」という天井の下でしか受けられなかった仕事が、元請けとして直接受注できる範囲まで広がった瞬間です。

同時に、下請けとして声をかけてもらえる機会も増えたと実感しています。

許可を取ったあと、あらためて向き合った「その先」

許可を取ってしばらくすると、今度は別の分岐点がやってきました。「従業員を雇うなら、法人化した方がいいのでは」という問いです。物語の主人公が実際に整理した、許可・法人化それぞれの持つ両面をまとめます。

🏗️ 建設業許可を取得したことで

○ 良かったこと

  • 500万円以上の工事を元請けとして受注できるようになった
  • 元請けの与信基準を満たし、下請けとして声がかかりやすくなった
  • 経営事項審査(経審)を受ければ公共工事の入札にも道が開ける
  • 「許可業者」という肩書きが、取引先開拓や融資の場面で信用につながった

△ 負担に感じたこと

  • 書類収集と要件を満たす人材確保に、想像以上の時間がかかった
  • 5年ごとの更新、毎年の決算変更届など、継続的な事務負担が発生する
  • 申請手数料・行政書士報酬など、一定の費用がかかる
  • 営業所技術者や常勤役員等が欠けると、許可の維持自体に影響する

🏢 個人事業から法人化を検討して

○ 良かったこと

  • 発注者・金融機関からの対外的信用が上がりやすくなった
  • 社会保険を完備できるため、若手職人の採用・定着で有利に働くことがある(個別試算が必要)
  • 所得水準や事業規模によっては税負担面で有利になるケースがある(個別試算が必要)
  • 将来の事業承継や許可の引き継ぎがしやすくなる場合がある

△ 負担に感じたこと

  • 設立費用・登記費用、社会保険加入義務によるコスト増が発生する
  • 赤字でも法人住民税の均等割は毎年発生する
  • 決算・法人税申告など、個人事業より事務負担が増える
  • 個人事業主時代の経営経験を通算できるか、事前確認が必要だった

※ 税負担の有利・不利は事業規模や個々の状況によって異なるため、税理士への確認をおすすめします。

法人化するなら、許可の引き継ぎ方は2ルートある

法人化を決めてから調べて分かったのですが、個人事業主時代の許可を法人にどう引き継ぐかには、実は2つのやり方がありました。

🔀 ルート1:事業承継の認可(令和2年10月〜)

令和2年10月1日施行の改正建設業法で新設された制度です。法人化する前にあらかじめ認可を受けておくことで、許可番号・許可年月日・監督処分歴などを、空白期間なくそのまま新設法人に引き継げます。

○ メリット

  • 従前の許可番号・許可年月日がそのまま使える
  • 審査中の無許可期間が発生しない
  • キャリアアップシステム上の許可継続年数も途切れない

△ 注意点

  • 承継予定日(法人化日)より前に、認可申請を済ませておく必要がある
  • 申請期限は許可行政庁ごとに異なる(例:東京都は承継予定日の25日前まで)
  • 経営事項審査(経審)の点数は別制度(特殊経審)での手続きが必要

🆕 ルート2:法人として新規許可を取り直す

個人事業の許可は廃業し、法人として一から許可を申請するやり方です。個人事業主時代の経営経験の年数は、法人の常勤役員等(経営業務管理責任者等)の年数としてカウントできる場合があります。

○ メリット

  • 手続きの流れがシンプルで分かりやすい
  • 期限に追われる事前認可の調整が不要

△ 注意点

  • 許可番号・許可年月日は新しくなる(従前のものは使えない)
  • 審査期間中は法人としては無許可の状態になりうる
  • 個人時代の経験年数を通算できるかは、事前確認が必要

どちらのルートが合っているかは、法人化のタイミング、許可の有効期限、経審を受けているかどうかによって変わります。法人設立日を先に決めてから逆算して動く必要があるため、法人化を考え始めた時点で早めに専門家へ相談するのが安全です。

物語の主人公が、後から知って驚いたこと

業種区分の見極め:軽天・LGS下地は基本的に「内装仕上工事業」ですが、施工内容によっては「大工工事業」「建具工事業」など別区分の判断が必要になることもあります。

実務経験証明の書類は早めに:注文書・請求書・契約書の控えは、独立や退職のタイミングで散逸しがちです。今のうちに整理しておくと、いざという時にスムーズです。

大地さんが、最初に誤解していたこと

Q. 個人事業主(一人親方)だから許可はいらない、と思っていた

→ 個人・法人は関係なく、1件500万円以上(税込)の工事を請け負うかどうかで許可の要否が決まります。一人親方でも要件を満たせば許可は取得できます。

Q. 500万円は、材料費を除いた工事費だと思っていた

→ 消費税を含めた請負代金の総額で判断します。材料をこちらで支給する場合は、その市場価格分も加算して考える必要があります。

Q. 軽天だけなら「大工工事業」でいいと思っていた

→ 軽量鉄骨下地(LGS)や石膏ボード貼りは基本的に「内装仕上工事業」の区分です。木造下地の造作を伴う場合など、実際の施工内容によって区分の判断が変わることがあるため、迷ったら専門家に確認するのが安全です。

Q. 実務経験10年は、同じ会社に10年いないとダメだと思っていた

→ 通算で構いません。複数の会社での経験を合算して10年に達していれば要件を満たせます(それぞれの期間を証明する書類は必要です)。

内装仕上工事業(軽天屋)許可の4要件・早見表

①経営業務の管理責任者等建設業の経営経験(個人事業主・役員としての経験を含む)が一定年数あること
②営業所技術者(旧・専任技術者)内装仕上工事に関する実務経験10年、または該当する資格・学歴要件を満たすこと
③財産的基礎自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること
④欠格要件に該当しないこと本人・役員が破産者や一定の前科など、欠格事由に該当しないこと

「うちの場合、どうなんだろう?」と思ったら

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